saying (俳句71句)
君と会う昨日のような花火の日
白い折り紙で折る川みじかくて
花束を見ていた昼の目を擦る
はなやかな手を取り合って泳げない
未来ありきたり大きな水たまり
練習曲つたわるように手の話
君と書くことで読まれてありふれた
単純に知らない川が目の前に
どこにいても地図がただしい俄雨
汽水域きれいなことば意味は知らない
まばたきに水平線を借りている
これからの絆創膏も手順だよ
つよい風言いたいことはそれだけ
湖は林のようでねむいかも
泳ぐ技つづく時間がつづくまで
さんずいに人と書いたらどうしよう
速くないように水星見えている
会えてよかった君は大きな橋を描いた
空想や洗われている皿広い
どの鍵にも理由があって教えない
手がむかし触れていた水いまもある
朝とてもあかるいうちに捨てる壜
交換日記ことばかなしくして書かれ
水金地火木ひんやりする葉書
消しゴムは便利わたしの近くにある
四角錐することのない正午かな
約束が印象的な信号機
冬眠や映画館ではしずかにする
あしたのこと浅瀬で遊ぶようなこと
待ち合わせしている水とあかるい舟
静電気ふしぎなことにすずしい絵
空間は半分南大きな木
さみしくてしばらくえれくとろにくす
からっぽのプールからだの季を仮に
再現や電波のぼれば電波塔
送電と送電塔が分かりあう
かけがえはないのにここは試着室
ある午後はひまでわたしがいないみたい
レモン/レモネード/君を思い出して/思う
こわれかけながら美術館に鳥
春の水曜日遅いからそろそろ帰る
朗読はからだをわすれない長さ
飽きっぽい手のひらが手の中にある
帆になればいろんなきもち秋の空
表現をすれば泉は水の椅子
いくつかの螺子を外して夏と秋
月に水流れる昔話かな
唇は火花いますぐ言いなさい
たとえばの話が終わる汀かな
会いたくてすこし深海魚の話
たとえたら花ほろんだら花ぐもり
自転車で渡る橋にはない名前
よく晴れた日を手渡され会いに行く
せんすいかんせんすいかんとあいしたい
回転木馬わたしは走りたい躰
ていねいに結ばれている手紙に手
水際の誤字のうぉーたーりりーたち
ひかえめに言ってきれいな傘をさす
海と波はなればなれにすこしなる
寝室はしずかな塗り絵まだからっぽ
落書きが流れなかった方の川
それでいい 水族館でふつうに泣く
平凡なひかりを歩く廊下かな
目を閉じたまま覚めているふらくたる
秋は椅子さがせばそこら中にある
いま君がいちばん遠い睫毛かな
こわれないプールわたしは無いてない
なつかしいじゃんけん・グッド・バイ・ぼくら
浮寝鳥あとは鏡をよろしくね
見えながら月が青空にあります
ゆっくりでいいから話し言葉かな